ノアノハコブネ

ノアノハコブネ
欧字表記 Noah no Hakobune[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1982年5月10日[1]
死没 1985年12月1日(4歳没・旧表記)
アローエクスプレス[1]
ユトリロ[1]
母の父 プロント[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 荻伏牧場[1]
馬主 小田切有一[1]
調教師 田中良平(栗東[1]
競走成績
生涯成績 10戦3勝[1]
獲得賞金 7710万3000円[1]
勝ち鞍
GI 優駿牝馬 1985年
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ノアノハコブネ(欧字名:Noah no Hakobune1982年5月10日 - 1985年12月1日)は、日本競走馬[1]

1985年優駿牝馬(オークス、GI)を制し[2] 、数多くの珍名馬を所有していることで有名[3]小田切有一に初めてのクラシック競走及びGI級競走制覇を達成した馬である。主戦騎手音無秀孝(現・調教師)。

戦績

この項の出典は特筆ない限りJBISサーチ[1]及びnetkeiba.com[2]による。

1985年1月26日にデビューしたノアノハコブネは、京都ダート戦(1700メートル)を好位差しで快勝という良好なスタートから始まった。ところが、その後はのレースを3連敗と勝ち星に恵まれなかった為、クラシック初戦の桜花賞には間に合わず、前日開催の忘れな草賞(芝2000メートル)も4着に終わった。

その為、オークス出走のためもう一勝を積み上げる必要があった。どのレースを選ぶかを関係者が協議した際、音無騎手がダートの平場競走なら勝てると進言し、その通り京都開催のダート400万条件戦(1800メートル)を勝ちオークスに出走できたものの、芝では4戦して未勝利ということもあり人気は低く、28頭立て21番人気での出走となった。

レースは逃げると思われた桜花賞馬エルプスが逃げを打てなかったものの、ユキノローズ(レインボーペガサスの祖母)、アイランドゴッテスがレースを引っ張り、最初の1000メートルが60秒5と言う当時の東京コースとしては異様なハイペースの展開となった[4]。スタート直後のダッシュがつかず、結局何時も通りの最後方からの競馬となったノアノハコブネにはこれが幸いし、最後の直線でオーバーペースで大失速した馬達を外から全馬まとめて交わし、ナカミアンゼリカに1馬身1/4差をつけ優勝した。

なお、この時更新したオークス史上最高単勝配当額(6270円)は未だに破られていない。

しかしその後は精彩を欠き、ローズステークス(5番人気で11着)・エリザベス女王杯(11番人気で12着)共に惨敗。翌年への布石も兼ね阪神大賞典(当時は12月施行で現在は3月施行)に出走したが、1周目のホームストレッチで寛骨を折るという故障を発生し、安楽死処分が取られた。

競走成績

以下の内容はnetkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬)
198501.26 京都 4歳新馬 ダ1700m(良) 11 6 7 004.10(2人) 01着 R1:49.7 -0.4 0音無秀孝 53 (リンドテスコ)
0000.02.10 京都 梅花賞 400万下 芝1600m(不) 9 7 7 005.80(3人) 02着 R1:38.3 -0.1 0飯田明弘 53 (スズタカヒーロー)
0000.03.02 阪神 初雛賞 400万下 芝1600m(重) 18 3 5 003.00(1人) 04着 R1:38.4 -0.5 0飯田明弘 53 (クリスシルバー)
0000.03.17 阪神 報知杯4歳牝馬特別 GII 芝1400m(稍) 16 1 2 017.90(7人) 08着 01:25.1 -1.4 0音無秀孝 54 エルプス
0000.04.06 阪神 忘れな草賞 OP 芝2000m(稍) 12 6 7 005.80(2人) 04着 R2:04.4 -0.4 0音無秀孝 54 ワンダーヒロイン
0000.04.28 京都 4歳400万下 ダ1800m(稍) 13 7 10 004.40(1人) 01着 R1:53.5 -0.1 0音無秀孝 53 (マッキニー)
0000.05.19 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 28 6 17 084.9(21人) 01着 R2:30.7 -0.2 0音無秀孝 55 (ナカミアンゼリカ)
0000.10.13 京都 ローズS GII 芝2000m(良) 14 1 1 011.90(5人) 11着 R2:03.2 -1.0 0音無秀孝 55 タケノハナミ
0000.11.03 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2400m(良) 21 4 9 026.8(11人) 12着 R2:28.7 -1.9 0音無秀孝 55 リワードウイング
0000.12.01 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 7 2 2 016.90(6人) 競走中止 0音無秀孝 53 ニシノライデン

エピソード

ノアノハコブネがオークスを制した大舞台に馬主である小田切はおらず、監督を務めていた少年ソフトボールチームの試合に出かけていた。「GI制覇は馬主を続けていればまた見られるかもしれないが、子どもの日々は二度と帰ってこないから」とのことであるが、次のGI制覇はオレハマッテルゼが高松宮記念を制する2006年[3]まで長期間空白となった。

血統表

ノアノハコブネ血統ナスルーラ系) / Udaipur (Umidwar) 5×4=9.38%、Nasrullah (Malindi) 5×4=9.38%、Fairway5×5=6.25% (父内) ) (血統表の出典)[§ 1]

アローエクスプレス
1967 鹿毛
父の父
*スパニッシュイクスプレス
Spanish Express
1962 鹿毛
Sovereign Path Grey Sovereign
Mountain Path
Sage Femme Le Sage
Sylvia's Grove
父の母
*ソーダストリーム
Soda Stream
1953 栃栗毛
Airborne Precipitation
Bouquet
Pangani Fair Trial
Clovelly

ユトリロ
1974 栗毛
*プロント
Prompt
1963 鹿毛
Prince Taj Prince Bio
Malindi
La Caravelle Worden
Barquerolle
母の母
*ダラマ
Dalama
1957 栗毛
Djebel Tourbillon
Loika
Pretty Lady Umidwar
La Moqueuse F-No.1-e
出典
  1. ^ [6] [7]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “競走馬情報 ノアノハコブネ”. JBIS サーチ. 日本軽種馬協会. 2021年6月23日閲覧。
  2. ^ a b “競走馬情報 ノアノハコブネ”. netkeiba.com. 日本軽種馬協会. 2021年6月23日閲覧。
  3. ^ a b “【安田記念】“珍名馬イズム”継ぐ小田切光オーナー カラテで目指すは世界舞台!”. netkeiba.com. https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=49004&rf=kslp 2021年6月23日閲覧。 
  4. ^ “【G1温故知新】1985年オークス9着 ユキノローズ”. スポニチ. (2017年5月18日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2017/05/18/kiji/20170516s00004145059000c.html 2021年6月23日閲覧。 
  5. ^ “ノアノハコブネ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年6月19日閲覧。
  6. ^ “ノアノハコブネ 血統情報 :5代血統表”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2021年6月23日閲覧。
  7. ^ “ノアノハコブネ 5代血統表”. netkeiba.com. 2021年6月23日閲覧。
  8. ^ “ユリトロ 繁殖牝馬情報 :牝系情報”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2021年6月23日閲覧。

関連項目

人気二桁番台でGI級競走を制した競走馬

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeibaJBISサーチ
優駿牝馬勝ち馬
1930年代

第1回 アステリモア / 第2回 ホシホマレ

1940年代

第3回 ルーネラ / 第4回 テツバンザイ / 第5回 ロツクステーツ / 第6回 クリフジ / 第7回 ミツマサ / 第8回 トキツカゼ / 第9回 ヤシマヒメ / 第10回 キングナイト

1950年代

第11回 コマミノル / 第12回 キヨフジ / 第13回 スウヰイスー / 第14回 ジツホマレ / 第15回 ヤマイチ / 第16回 ヒロイチ / 第17回 フエアマンナ / 第18回 ミスオンワード / 第19回 ミスマルサ / 第20回 オーカン

1960年代

第21回 スターロツチ / 第22回 チトセホープ / 第23回 オーハヤブサ / 第24回 アイテイオー / 第25回 カネケヤキ / 第26回 ベロナ / 第27回 ヒロヨシ / 第28回 ヤマピット / 第29回 ルピナス / 第30回 シャダイターキン

1970年代

第31回 ジュピック / 第32回 カネヒムロ / 第33回 タケフブキ / 第34回 ナスノチグサ / 第35回 トウコウエルザ / 第36回 テスコガビー / 第37回 テイタニヤ / 第38回 リニアクイン / 第39回 ファイブホープ / 第40回 アグネスレディー

1980年代

第41回 ケイキロク / 第42回 テンモン / 第43回 シャダイアイバー / 第44回 ダイナカール / 第45回 トウカイローマン / 第46回 ノアノハコブネ / 第47回 メジロラモーヌ / 第48回 マックスビューティ / 第49回 コスモドリーム / 第50回 ライトカラー

1990年代

第51回 エイシンサニー / 第52回 イソノルーブル / 第53回 アドラーブル / 第54回 ベガ / 第55回 チョウカイキャロル / 第56回 ダンスパートナー / 第57回 エアグルーヴ / 第58回 メジロドーベル / 第59回 エリモエクセル / 第60回 ウメノファイバー

2000年代

第61回 シルクプリマドンナ / 第62回 レディパステル / 第63回 スマイルトゥモロー / 第64回 スティルインラブ / 第65回 ダイワエルシエーロ / 第66回 シーザリオ / 第67回 カワカミプリンセス / 第68回 ローブデコルテ / 第69回 トールポピー / 第70回 ブエナビスタ

2010年代

第71回 アパパネ・サンテミリオン(同着) / 第72回 エリンコート / 第73回 ジェンティルドンナ / 第74回 メイショウマンボ / 第75回 ヌーヴォレコルト / 第76回 ミッキークイーン / 第77回 シンハライト / 第78回 ソウルスターリング / 第79回 アーモンドアイ / 第80回 ラヴズオンリーユー

2020年代