1954年の読売ジャイアンツ

1954年の読売ジャイアンツ
成績
セントラル・リーグ2位
82勝47敗1分勝率.636^[1]
本拠地
都市	東京都文京区
球場	後楽園球場

球団組織
オーナー	正力松太郎
経営母体	読売新聞社
監督	水原茂
« 1953 1955 »
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1954年の読売ジャイアンツ（1954ねんのよみうりジャイアンツ）では、1954年における読売ジャイアンツの動向についてまとめる。

この年の読売ジャイアンツは水原茂監督の5年目のシーズンである。

概要

ベテランに頼るチームの若返りのため、水原監督はそれまで三塁のレギュラーだった宇野光雄を国鉄に放出。この年早稲田大学の広岡達朗が入団して平井三郎から遊撃手のレギュラーを奪うなど、若手が台頭。2リーグ分裂後初の4連覇を目指すチームは4月を貯金10でスタートするが、その後は中日が首位を奪うなど一進一退が続いた。6月からの2か月間で貯金を大きく増やし4連覇が秒読みと言われたが、8月以降は中日に首位の座を奪われるとゲーム差が広がり最後は2位で終了した。投手陣では藤本英雄が衰えを見せたものの、別所毅彦や大友工がエースとしてこの年も獅子奮迅の活躍を見せ、別所はチームトップの26勝を、大友はチーム2位の21勝をあげた。それ以外にも中尾碩志が15勝をあげたほか、ルーキー安原達佳が中継ぎで一軍に定着した。宇野の放出があったものの、打撃陣では不動の1番打者・与那嶺要や4番の川上哲治が主軸打者として活躍した。一方で第2次黄金時代を支えた千葉茂や南村侑広が衰え始めるなど投打ともに世代交代の兆しが見え始めた。この年は4位の広島に20勝6敗、最下位の大洋松竹に20勝5敗1分と勝ち越したが、同じBクラスの国鉄には14勝12敗と苦戦した。

チーム成績

レギュラーシーズン

開幕オーダー
1	中	与那嶺要
2	二	千葉茂
3	右	南村侑広
4	一	川上哲治
5	左	樋笠一夫
6	三	手塚明治
7	遊	平井三郎
8	捕	広田順
9	投	大友工

1954年セントラル・リーグ順位変動
順位	4月終了時		5月終了時		6月終了時		7月終了時		8月終了時		9月終了時		最終成績
1位	巨人	--	中日	--	巨人	--	巨人	--	中日	--	中日	--	中日	--
2位	中日	1.5	巨人	0.0	中日	3.0	中日	4.0	巨人	1.5	巨人	6.0	巨人	5.5
3位	大阪	2.5	大阪	2.0	大阪	6.5	大阪	8.0	大阪	10.0	大阪	15.0	大阪	16.0
4位	国鉄	5.0	国鉄	4.0	国鉄	7.5	国鉄	13.0	国鉄	22.0	広島	26.0	広島	29.5
5位	広島	10.0	広島	7.5	広島	13.5	広島	15.5	広島	22.0	国鉄	27.0	国鉄	32.0
6位	洋松	11.0	洋松	19.0	洋松	26.5	洋松	31.5	洋松	43.5	洋松	51.0	洋松	55.0
期間成績	15勝5敗1分勝率.750		11勝10敗勝率.524		13勝5敗勝率.722		11勝6敗勝率.647		15勝9敗勝率.625		8勝8敗勝率.500		9勝4敗勝率.692

1954年セントラル・リーグ最終成績
順位	球団	勝	敗	分	勝率	差
1位	中日ドラゴンズ	86	40	4	.683	優勝
2位	読売ジャイアンツ	82	47	1	.636	5.5
3位	大阪タイガース	71	57	2	.555	16.0
4位	広島カープ	56	69	5	.448	29.5
5位	国鉄スワローズ	55	73	2	.430	32.0
6位	洋松ロビンス	32	96	2	.250	55.0

オールスターゲーム1954

詳細は「1954年のオールスターゲーム (日本プロ野球)」を参照

選出選手及びスタッフ

ポジション	名前	選出回数
監督	水原茂
投手	大友工	3
	別所毅彦	4
	中尾碩志	3
捕手	広田順	3
一塁手	川上哲治	4
二塁手	千葉茂	4
内野手	広岡達朗	初
外野手	与那嶺要	3
外野手	南村侑広	3

太字はファン投票による選出。

個人成績

投手成績

色付きは規定投球回（198イニング）以上の選手
太字はリーグ最高

選手	登板	先発	完投	完封	無四球	勝利	敗戦	セ丨ブ	ホ丨ルド	勝率	打者	投球回	被安打	被本塁打	与四球	敬遠	与死球	奪三振	暴投	ボ丨ク	失点	自責点	防御率	W H I P

/別所毅彦	50	34	23	6	7	26	12	--	--	.684	1279	330.0	269	13	50	--	6	158	0	0	84	66	1.80	0.97
/大友工	48	30	17	5	4	21	15	--	--	.583	1081	278.2	202	13	62	--	9	199	0	0	63	52	1.68	0.95
/中尾碩志	37	24	8	4	1	15	5	--	--	.750	743	187.2	161	12	44	--	5	76	2	0	63	54	2.59	1.09
/入谷正典	23	12	5	2	1	7	6	--	--	.538	458	115.0	105	7	18	--	1	45	0	0	41	30	2.35	1.07
/笠原正行	30	14	3	2	0	9	4	--	--	.692	503	115.0	128	7	41	--	5	28	3	1	60	46	3.60	1.47
/安原達佳	27	6	0	0	0	3	2	--	--	.600	353	81.0	84	7	32	--	3	43	4	0	35	28	3.11	1.43
/松岡光雄	7	3	0	0	0	0	1	--	--	.000	98	23.0	22	1	9	--	0	8	0	1	13	11	4.30	1.35
/藤本英雄	5	5	0	0	0	1	2	--	--	.333	83	19.2	21	3	4	--	1	4	0	0	15	13	5.85	1.27
/松田清	6	2	0	0	0	0	0	--	--	----	59	14.0	14	2	2	--	0	5	0	0	6	4	2.57	1.14
/三浦方義	1	0	0	0	0	0	0	--	--	----	20	4.2	5	3	2	--	0	4	0	0	5	5	9.00	1.50
/川上義信	1	0	0	0	0	0	0	--	--	----	5	1.0	1	0	0	--	1	0	0	0	0	0	0.00	1.00

主な打撃成績

色付きは規定打席（338打席）以上の選手
太字はリーグ最高

選手	試合	打席	打数	得点	安打	二塁打	三塁打	本塁打	塁打	打点	盗塁	盗塁死	犠打	犠飛	四球	敬遠	死球	三振	併殺打	打率	出塁率	長打率	O P S

/川上哲治	129	561	510	64	164	27	8	8	231	87	26	8	1	7	41	--	2	25	14	.322	.374	.453	.827
/与那嶺要	125	564	477	93	172	40	6	10	254	69	20	9	10	3	69	--	2	56	5	.361	.441	.532	.973
/南村侑広	125	520	466	57	133	16	2	7	174	61	18	8	9	7	34	--	4	32	10	.285	.339	.373	.713
/千葉茂	120	515	433	68	109	13	3	7	149	48	7	4	26	3	53	--	0	51	14	.252	.333	.344	.677
/広田順	106	379	344	49	90	3	4	9	128	37	3	1	6	3	22	--	4	44	10	.262	.314	.372	.686
/広岡達朗	112	405	341	58	107	19	2	15	175	67	9	4	2	4	54	--	4	49	5	.314	.409	.513	.923
/手塚明治	110	289	266	25	67	15	2	3	95	35	3	2	4	2	17	--	0	28	3	.252	.297	.357	.654
/樋笠一夫	92	296	254	33	54	7	0	11	94	32	4	2	1	2	38	--	1	44	10	.213	.315	.370	.685
/岩本尭	100	279	249	33	56	13	2	2	79	24	8	3	2	4	20	--	4	22	5	.225	.293	.317	.610
/柏枝文治	88	226	206	32	50	6	1	7	79	34	5	2	1	1	18	--	0	23	5	.243	.302	.383	.686
/平井三郎	79	226	206	21	52	9	4	0	69	21	8	1	3	1	15	--	1	20	4	.252	.306	.335	.641
/藤尾茂	54	122	115	10	22	4	1	3	37	15	1	2	0	2	5	--	0	14	3	.191	.225	.322	.547
/小松原博喜	61	102	89	6	24	2	0	1	29	11	1	1	2	1	9	--	1	17	0	.270	.343	.326	.669
/内藤博文	52	78	64	16	15	3	0	1	21	5	7	1	8	0	6	--	0	7	2	.234	.300	.328	.628
/加倉井実	5	11	11	1	3	0	0	0	3	0	0	0	0	0	0	--	0	1	0	.273	.273	.273	.545
/岩下守道	7	7	7	0	2	0	0	0	2	2	1	1	0	0	0	--	0	2	0	.286	.286	.286	.571
/楠拡応	4	3	2	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	--	0	0	0	.000	.333	.000	.333
/寺本哲治	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	1	0	0	0	--	0	0	0	----	----	----	----
/中島執	1	0	0	1	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	--	0	0	0	----	----	----	----

できごと

選手・スタッフ

読売ジャイアンツ 1954
監督	30 水原茂
一軍コーチ	31 三宅大輔（ヘッド） 60 谷口五郎（投手）
二軍監督・コーチ	50 内堀保（監督） 61 新田恭一（打撃） 12 武宮敏明
投手	11 別所毅彦 17 藤本英雄 18 中尾碩志（主将） 19 松岡光雄 20 大友工 21 入谷正典 25 笠原正行 26 鈴木実 29 松田清 33 岡部宏 34 三浦方義 35 辻村隆 36 井上安雄 39 杉本定介 40 土岐道雄 44 安原達佳 46 坪口高樹 47 堀内庄 48 川上義信 49 土屋正孝 51 関口正巳 52 加倉井実 54 松永蒼生男 55 山田幸造 56 片岡節次郎 59 八浪彬雄 63 内田昌三 67 小原五郎
捕手	6 広田順 9 藤尾茂 27 楠拡応 42 山崎弘美 43 棟居進 57 村田喜三郎
内野手	2 広岡達朗 3 千葉茂（助監督兼任） 8 平井三郎 15 手塚明治 16 川上哲治（助監督兼任） 23 柏枝文治 28 内藤博文 38 南温平 41 岩下守道 45 太田敏彦 53 渡部久二男 58 斉藤光男
外野手	1 南村侑広 5 岩本尭 7 与那嶺要 22 小松原博喜 24 樋笠一夫 32 寺本哲治 37 中島執

^[2]

表彰選手

新人王：広岡達朗
首位打者：与那嶺要（.361、初受賞）
ベストナイン：

広田順（捕手、2年連続2度目）

広岡達朗（遊撃手、初受賞）

与那嶺要（外野手、3年連続3度目）

出典

^ “年度別成績 1954年セントラル・リーグ”. 日本野球機構. 2016年6月18日閲覧。
^ “読売巨人軍公式HP　背番号変遷”. 読売ジャイアンツ. 2015年10月5日閲覧。

表話編歴 « 19531954年の日本プロ野球1955 »
セントラル・リーグ				パシフィック・リーグ
優勝	中日ドラゴンズ	2位	読売ジャイアンツ	優勝	西鉄ライオンズ	2位	南海ホークス
3位	大阪タイガース	4位	広島カープ	3位	毎日オリオンズ	4位	近鉄パールス
5位	国鉄スワローズ	6位	洋松ロビンス	5位	阪急ブレーブス	6位	高橋ユニオンズ
				7位	東映フライヤーズ	8位	大映スターズ
：日本一　：日本シリーズ出場
日本シリーズオールスターゲーム